日本福祉教育専門学校

堂西 利弥さん

親族との別れ、
今までの感謝の気持ち
それが私の「生きる土台」に

社会福祉士一般養成課程 卒業堂西 利弥(どうにし としや)さん

この度は、インタビューをお受けいただきありがとうございます。
堂西さんは5年前に日福を修了され、社会福祉士を取得されたんですよね。

まず、日福の通信を選んだ理由をお教えいただけますか?

はい。私は働きながら資格取得を目指していたので、仕事と両立できて、学費も良心的な通信課程を選びました。高田馬場は、学生時代のホームタウンといえるほど馴染み深い街なので立地も私にとって魅力的でしたね。

そんな日本福祉で学んでみていかがでしたか?

卒業後、他校出身の社会福祉士に日福卒というと『真面目な学校』とか『しっかり勉強できる印象』と言われます。たしかに、チャラチャラしていないというか(笑)当時から『質実剛健』な校風は感じられました。先生方の指導も、きめ細かく親切で、明確な根拠を示しながらしっかりと系統立てた専門知識を教えてもらったなと思っています。

それは安心しました(笑)通信で学んでみて入学前のイメージと違いましたか?

入学前は『プライベートの時間を自由に使って学べる通信なのだから、余裕だろう』と思っていましたが、実際は思った以上に大変でした(笑)
課題の期限が迫った時には、職場に自前のパソコンを持ち込み、休憩時間に勉強したこともあります(笑)…今思えば良い思い出ですね(笑)

堂西さんが福祉業界を目指したきっかけはありますか?

はい。私は大学在学中から学習塾の講師として働いていました。いずれ教育か福祉、どちらかの道に進もうと思っていましたが『人と直接深く関わる仕事をしたい』という思いが強くなって大学は自主退学しました(笑)
それで、進路についてアルバイト先の後輩に頼んで彼の大学の先生を紹介してもらい相談したんです。そしたら『無資格で何の知識も持たずに福祉の現場に就くと、使い捨てられて体を壊してしまうこともある。本当に志があって福祉の道に進むなら、勉強して専門家として資格を取りなさい。』とアドバイスを受けました。

確かに、知識があるのとないのでは違いますよね。

はい。それで『それもそうだな…』と、一旦そのまま学習塾に勤めたんですが、そこで多くの教え子と出会い、人が成長する感動的な変化を目の当たりにして。いわゆるブトゥリムの『人間変化の可能性』に対する無条件の信頼が、私の中に備わったように思います。そして『やっぱり自分も専門的に学びたい!』と思ったんです。
子どもたちの変化に堂西さん自身が触発されたんですね。
そうです。それで、改めて働きながらまた大学に入って、2009年、28歳の時に無事卒業しました(笑)

進路を福祉に決めたきっかけは何かあったんですか?

そうですね。大学卒業後、祖父の介護を経験しまして、福祉への関心がとても強くなりました。

なるほど、ご家族の介護を経験されたんですね。

はい。介護開始当初は私も気持ちに余裕があって、ただ病状が進行するにつれて日に日に祖父の身体機能が低下していくわけですよ。その不安を2人だけでは抱えきれなくなって、時に押しつぶされそうな、泣き出しそうな気持ちになることがありました。
そんな時、ケアマネさんやヘルパーさん、福祉用具専門相談員さん、認定調査員さんがすぐに駆けつけ、力になってくれたことは、本当に涙が出るほどありがたかったです。福祉専門職の力、そのありがたみを思い知りました。
同時に、祖父の存在自体が私に幸福や温かさを与えてくれる「力」であることを知りました。そしてその「力」は最期まで衰えることはないということも思い知りました。不変の力、ですよね。その本質を見た気がします。祖父の看取りは、初めての大好きな人との永遠の別れでしたけど、それは『つらく悲しいだけ』ではなく、自分の心の中に決して揺るがず、自己を支え続ける、力の源として燃え続ける『生きる土台』になっていると感じます。
自分はきっと、この感謝を別の形で社会に還元しなくてはならないんだ、今はそう思っています。

自身の深い支えになっているんですね。働いていて大変だなと思うこともありますか?

私は高齢者を支援する地域包括支援センターのソーシャルワーカーですが…やはり虐待対応ですね。
虐待対応では、一つひとつの判断の影響が大きく、重い責任をともなうため、支援者個人が単独で判断、行動するのではなく、チームアプローチが基本となります。とにかく迅速に。一方で、丁寧に慎重に、正確で客観的な情報を伝達することで、適切な判断につなげる必要があります。ですので、虐待対応は、その他のソーシャルワーク以上に密度の高い、高度な対応に迫られることが多いんですよ。

なるほど。では、福祉業界で働いていて良かった、楽しいと思うことはありますか?

相談者と会う瞬間はいつも嬉しいですね。もちろん自分が関わって何かが改善され喜んでもらうのももちろんですが、怒っている方にも、なぜそんなに怒っているのかを一緒に考えさせてもらえるということだけで、その人と私自身の命のぬくもりが共鳴しているような、震えるような気がして嬉しいですね。

魂の触れ合いですね。今後の目標はありますか?

今年は介護支援専門員資格にチャレンジします!仕事では、地域の認知症当事者の方と『本人ミーティング』の立ち上げやキャラバン・メイトとして『認知症サポーター養成講座』を積極的に実施したりと、共生社会の推進に尽力したいと考えています。

それでは最後に受講生の皆さんにアドバイスをお願いいたします!

世界的に格差や分断が進行している今、ソーシャル・エクスクルージョンの圧力が、加速的に苛烈になりつつあると感じます。この時代に、新たに社会福祉士を志される、皆さんを心強く思います。
『社会福祉士は、あらゆる差別、貧困、抑圧、排除、無関心、暴力、環境破壊などに立ち向かい、包摂的な社会をめざす』というソーシャル・インクルージョンのとおり、困難に立ち向かう使命があります。決して諦めず『全てのかけがえのない人々を愛し、全ての人々のより良き生活のために闘う』のが社会福祉士です。
他方、社会福祉士はスーパーマンではありません。資格を取っても一人では解決することが難しいこともあります。仲間が必要です。
みなさんと、社会福祉士の仲間としてお会いできる日を心から楽しみにしています!

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