社会福祉士養成通信課程 卒業槐 泰成(えんじ やすなり)さん
今月は、未経験から社会福祉士に転身した修了生の槐さんに話を聞きました。
槐さん、まずはお時間をいただきありがとうございます。珍しいお名前ですが、ご出身はどちらですか?
生まれは東京都東大和市です。祖父は茨城県の出身で、私も親族以外で一人しか槐姓にあったことがなくて…ネットで調べると日本で600人程の珍しい名前のようです。
それは珍しいですね!そんな希少なお名前をお持ちの槐さんですが、他職種から社会福祉士、現在は施設長をされているとのことですが、福祉業界に転職されたきっかけを教えていただけますか?
はい。私が就職した2000年頃は介護保険制度がスタートし福祉業界に勢いがありました。今は無き『コムスン』などが成長著しく、当時は世の中に『これからは介護だ!』という雰囲気がありました。
もちろん、『人の役に立ちたい』という動機が根本にはありましたが、『福祉業界なら食いっぱぐれることもないかな』という思いも少しありました(笑)。
そうですね(笑)世の中に必要とされているお仕事だからこそこれからも安心感がありますね。未経験からのスタートは大変だったと思いますが、いままで最も困難だったことは何ですか?
日々大変なことや失敗もたくさんしています。『ああすればよかった』という反省は多いですね。しかし、必要以上に思い悩むことや『これが一番困難だった』というものは思い浮かびません。これは性格もあるかもしれませんが…。そのステージごとのやりがいを感じながら日々仕事をしています。最も困難だったもの…。しいて言えば…社会福祉士の国家試験かもしれません。なにせ、一度落ちていますので(笑)
素晴らしいマインドですね!私も見習いたいくらいです(笑)槐さんは日福の卒業生なんですよね。実習はいかがでしたか?
はい。20年前に日福を卒業しました。その時はたしか府中市役所に行きました。高齢介護や保育、障害、母子、生活保護、福祉第三セクターなど様々な課を経験させてもらい、貴重な体験でした。
実習でしか体験できないこともたくさんありますよね。現在はどのような仕事をされているんですか?
現在は特別養護老人ホームで施設長をしています。定員100名のユニット型特養で、ショートステイやデイサービス、ケアマネジャーの事業所も併設しています。東大和市内では認知症高齢者グループホームや小規模多機能型居宅介護、地域包括支援センターなども運営しています。
法人は社会福祉法人一石会と言い、本部は青梅です。多くの事業所を運営しており40年ほどの歴史ある法人です。
私の勤める特別養護老人ホーム風の樹は平成17年に開設し、全室個室のユニット型特養はまだまだ珍しい時期でした。私は平成18年に入職しましたが、ユニットケアの実践や看取りケアの取組みなど、他職種と連携して手探りで試行錯誤しました。あぁ、とても懐かしいですね。
その試行錯誤があるからこその今ですね!では、福祉の現場で働いて楽しいこと、良かったと思うことはありますか?
楽しいこと、良かったと思うエピソードは多々あるので迷うのですが…。利用者の方に役割や生きがいを感じて生活していただけていることが実感できた時、それからご家族から『風の樹で生活できて良かった』と涙ながらに喜んでもらった時、職員が『風の樹で働けて良かった』と言ってくれた時です。あと、実習生が『初めて出会えたソーシャルワーカーが槐ホーム長(当時)で良かった』とお手紙をくれた時もとても嬉しかったです。未だに『もっとできたのではないだろうか…』『違う対応があったのではないだろうか…』と自問自答することもありますが、出会った人に喜んでもらうたびにとても励みになります。
正解に基準がない仕事だからこそ悩む部分ですね。人に喜びを与えられる仕事は本当に素敵だと思います。今後の目標はありますか?
利用者自身が『利用したい』と思い、家族も『利用させたい』と思い、働く職員も『働きたい』と思ってくれる事業所を作りたいと思っています。介護サービスはどうしてもネガティブなイメージがあるようで、なかなか『入居したい』と思っていただけないことがあります。目標に向けて日々奮闘しています。そして必ずそれは実現すると思っています。
それでは最後に受講生の皆さんにアドバイスをお願いいたします!
実習であれ、仕事であれ、次の三つが大切だと思っています。
私たちソーシャルワーカーやケアワーカーが支援するのは、何か課題を抱えている方であり、要介護者です。中には藁にも縋る思いで相談しているクライエントやその家族もいます。辛く、苦しい中、私たちに思いを打ちあけ、相談してくれています。
課題というものは、そう簡単には解決しないことが多いです。私たちソーシャルワーカーが解決や支援をあきらめてしまってはクライエントは谷底に突き落とされ、そのまま這い上がってこられなくなってしまうかもしれません。私たちはそれを自覚し、あきらめず解決策を考え支援を続けることが大切だと思っています。
もちろん困難な課題を支援していくことは、とても大変なことです。アプローチに悩んだ時は、ひとりで抱え込まず同僚や関係機関の力も借りて支援すると良いかなと思います。それこそ…日福の先生に相談しても良いのではないでしょうか!あ、私で良ければいつでも話を聞きますので、そのような時はお気軽にお電話ください(笑)。